夫は仕事一貫な人で、家族と過ごすよりも仕事をしていたいというような人です。当然、家事や育児には見向きもせず、家にいても家族と一緒に何かをするということがない人でした。また、女性にだらしないとか、ギャンブル好きとか、そういった問題はない人です。

育児や家のことは私に任せてくれていたので、私も夫の行動を強く制限することはありませんでした。

互いに必要以上に干渉しない関係は、ことのほか私たち夫婦に適していたようでこれまで一度も大きな喧嘩もしたことなく安定した夫婦生活を送っていました。

そんな矢先、夫に県外での三年間の単身赴任が言い渡されました。結婚して10年以上一緒に生活してきましたが、離れて暮らしたことがなく、一人暮らしの経験もありません。赴任先できちんと生活できるのかと不安と心配に囲まれながらも、夫は「俺は大丈夫だから、家を任せる」と一言を残して県外にて一人暮らしを始めました。

碌に家事もしたことがない夫がきちんと生活できているか、始めはやはり心配で何度か赴任先へ足を運びましたが、半年も経てば一通りのことはできるようになっていました。これなら大丈夫だろうと安心した私は、それから夫の元へ頻繁に訪れることはしなくなり、代わりに週に1回電話で連絡をとりあうようになりました。

毎週の電話ではお互いの近況を報告し合ったり、今日は何を作っただとか、休みがとれたら帰省するなど、たわいのない会話をしていました。夫が単身赴任すると、赴任先で浮気をする人がいると耳にしていましたが、夫からはそんな様子は見られなかったので、私は安心しきっていました。

けれど、その安心が仇となってしまいました。

夫が単身赴任を始めて約一年。これまで少しでも休みがとれれば帰省していたり、電話をくれていた夫から連絡がパタリと途絶えました。もしかして病気にでもなっているのかと思い、今からそちらに向かうことを夫の携帯で連絡を入れると、「仕事が忙しくて立て込んでいるだけだから、来なくてもいい」という内容の返事がすぐに届きました。そしてそれ以降、なんの連絡もありません。

会社に電話すると、きちんと出勤はしているようなのですが夫の身に何があったのか気になって仕方ありませんでした。

そこで私は、夫には内緒で赴任地にて夫の浮気を含めた身辺調査を東京興信所に依頼しました。

依頼した調査期間は約1か月でしたが、その間も夫から連絡がくることはなく、夫への不審感は募る一方でした。そして調査をいらいしてから約一か月後、調査員の方から結果を報告を受けました。

一言で言えば、夫は確かに浮気をしていました。

けれど、相手は一般女性ではありません。夫は、赴任先の男性社員と恋愛関係に発展していたのです。調査員の方曰く、夫は毎朝会社に出社はするものの、単身赴任を機に借りたアパートではなく浮気相手の男性宅から通勤しているというのです。2人は会社や近所の目を気にしてか、2人で出勤することはなかったようですが、遅い時間で人通りの少ない道を通る際には必ず何か接触しているそうです。

しかも、夫の方から接触を図ることが多いようで、2人で仲良く手を絡めてつないでいる様子を捉えた写真や動画を見ながら、夫の浮気現場を確認しました。

相手が女性でなかったことに少し安堵しながらも、夫が同性と恋愛関係を築いていることに若干の衝撃を受けつつ、私と居る時よりもどこか嬉しそうな夫の様子を見て静かに涙しました。

夫はどこまで本気なのかは分かりませんが、本人が元気そうですし、生活費はこれまでも滞りなく送金されていて実害がほとんどないことから、私はこの件を私一人に胸の内に留めておく事にしました。

今後はどういった反応があるか分かりませんが、家族に害が及ぶまではひとまずこのまま様子を見ていきたいと思っています。