浴衣姿で旅館でくつろぐ男女

私は55歳、主人は62歳です。

一昨年前、2人の子供も成人し、夫婦二人の生活になりました。

友人の紹介で主人と知り合い、2年間の交際を経て結婚しました。

結婚前は、主人といるだけで楽しくて、これほど素敵なパートナーはいない!と確信していました。

ありきたりかもしれませんが、結婚3年目を迎えた頃から、主人の違った一面があることに気づき始めました。

結婚前は有頂天で見えなかっただけかもしれませんが。

しかし、結婚後、すぐに妊娠し、結婚3年目には2人の子供の世話に追われていたので、主人のことに干渉している暇はありませんでした。

主人も私に干渉しない、私も主人をATM程度にしか扱っていない、そんな日々がずっと続きました。

勿論、年月とともに、夫婦の営みも邪魔くさくなり、お互いに、1年に数回はやらなければならない仕事のようにとらえていました。

結婚15年を過ぎた頃には、全くのセックスレスになりました。

残念ながら、セックスレスは、私にとって全く悲しいものではなく、有り難いことでした。

2年前、主人が定年を迎えました。

「会話がない」「干渉しない」「興味が無くなる」「セックスレス」と、典型的な家庭内別居状態での定年は地獄です。

仕事をしているときには、ゴルフの付き合いが多く、日曜日でも殆ど家にいなかった主人ですが、定年後は、週に5日は家にいる状態です。

箸の上げ下ろしまで気になるほど疎ましく、ストレスが溜まりきっていました。

ところが、昨年から泊りがけのゴルフが多くなりました。

私にとっては嬉しい限りでしたが、女の勘が働きました。

今までは、帰宅後すぐにゴルフクラブの手入れをしていた主人が、そのまま玄関に立てかけておくことが多くなったのです。

これは怪しい!浮気かも…と思いました。

とはいっても、やきもちや苛立ちなどは全くといっていい程ありません。

だらだらと続けてきた夫婦生活に終止符を打つには、離婚調停などの長い話し合いを持たなければなりません。

私たち夫婦は、「バクチ」「酒」「女」「暴力」など大きな離婚の要因になるものがなかったので、いわゆる「性格の不一致」「微妙な感情のズレの蓄積」程度で片づけられてしまいます。

やっとチャンスが巡ってきたという感じです。

昨年1月中旬に「北海道に行ってくる」といって、主人はゴルフバックを北海道の某ホテル宛に送りました。

北海道の一月といえば大雪です。ゴルフができないことぐらい、誰でもわかります。

私は、そこまで馬鹿にされていることに腹をたて、北海道で主人と戦うことを決意しました。

主人はゴルフバックの送り状を無造作に置いていたので、調べなくても宿泊先がわかりました。

すぐに私も部屋を予約し、航空券を買い求めました。

そして、証拠写真の撮影のため東京興信所の調査員、また、相談にのってくれていた仲の良い友人も同伴してもらいました。

飛行機の中で、その友人と、どのように浮気現場を押さえるか、東京興信所の調査員の方と浮気調査の流れにつき綿密に打ち合わせをしました。

結果、私たちは、ホテルの大浴場付近で主人が来るのを待つことにしました。

嫌な主人でも、長年一緒に暮らした人ですから、どのような行動をとるかは簡単に想像がつきます。

予想は的中!夕食前に主人が浴場に現れました、

ところが!

一緒に寄り添って歩いている浮気相手が何と、同級生!です。

それも、私、同伴の友人、浮気相手の友人は、結婚してからも仲良く付き合っていて、1ヶ月前にも3人でランチしていたのです。

主人の浮気は、私の新しい人生へのステップとなりますが、友人に裏切られていたこと、主人が私の友人を選んだことに、愕然としました。

さすがに、その場で声をかけることができませんでした。

東京興信所の調査員の方はその間、主人と浮気相手の友人の寄り添う姿を二人に見つからないように撮影していました。

もう絶対に許せません。

よくもまあ、1ヶ月前に、普通の顔して私たちとランチをしていたと思うと、怒りが分刻みに倍増してきます。

そして、私と同伴の友人は、大浴場の女湯に入り、彼女が出てくるのを待ちました。

お風呂から上がってきた彼女は、仁王立ちしている私の顔を見て、立ちすくんでいました。

「早く着なさいよ!」とただ一言。

浮気相手を連れて女湯から出ると、何も知らない主人が待合室で彼女を待っていました。

私たちに気づいた主人の顔は強張り、茫然としていました。

主人の部屋に入り、4人で話し合いです。探偵調査員の方は、同伴してくれた私の友人の知り合いという体で部屋の片隅に座っていましたが、隠しカメラで一部始終を録音・撮影していてくれました。

私の友人は、浮気相手である友人の自宅に電話し、友人のご主人にも状況を伝えました。

魔がさしただの、家庭を壊す気がないなど、まるでうわ言のような言葉が主人の口から次々と発せられました。

彼女は、ひたすら私に謝りました。

浮気相手が友人でなければ、ここであっさりと離婚届が出せるところでしたが、主人や浮気相手の友人を見ているだけでも怒りが湧いてきて、離婚届どころではありません。

ホテルの浴衣姿の二人の写真をいっぱい撮り、浮気相手の友人のご主人の携帯に送信しました。

夕食もとらず、無言の行で、朝までにらみ合いが続きました。

翌朝、一番の飛行機で、浮気相手の友人のご主人も北海道入りです。

怒鳴り上げる浮気相手のご主人、疲れ切った私、ひたすら謝る主人、もう無茶苦茶でした。

同伴してくれた私の友人が、「これ以上は時間の無駄だから、そろそろ今後のことについて話をしようよ。」と言ってくれ、私は離婚を切り出しました。

退職金、年金、資産については、双方弁護士を入れて調整することを申し出ました。

主人は、離婚する気はないといいました。

この状況で、よくそんなことが言えたものだと、私はまた怒りがこみあげました。

帰宅後、私はすぐに玄関のキーを取り替え、一切主人を家に入れないようにしました。

成人した子ども達にも包み隠さず話しました。

現在、離婚調停中です。

小さなズレが積み重なって破たんしてしまった夫婦は、離婚を決定づける出来事が乏しく喧嘩両成敗のようにとらわれがちですが、浴衣姿の写真を含め、東京興信所の調査員の方が記録した音声や映像は決定的証拠となります。

殴る蹴るより無言の圧力、憤りを感じても冷静に淡々とものをいう、録音、写真撮影は抜かりなくとる、これほど強いことはないと実感しています。