今年から県外の大学に進学し、一人暮らしを始めたお子さんを案じたお母様から、お子さんの生活の様子を知りたいとご依頼を頂きました(東京都文京区在住 介護士 56歳女性)。
頻繁に仕送りを求めてくる娘の素行調査実例
今年の春に娘が県外の大学へと進学しました。
大学進学に伴い、大学の学費や生活費などの仕送りを毎月送金しています。
入学して数か月はそれで問題なく生活していたようですが、ここ最近になって頻繁に仕送りを求められています。理由を尋ねると「教材を買わなければいけないから」と言うだけで何をどれだけ買ったのかまでは言おうとしません。
また、これまでは連休の日には実家に帰ってきていたのに今では「交通費がないから」「課題があるから」と言って帰ってこないどころか、連絡もままならない日が続いています。
さらには私からだけでなく、私や夫の母(娘から見た祖母)にまで仕送りを求めていることが分かりました。流石にここまでくると娘の生活ぶりに不信感を抱かずにはいられず、夫とも相談して娘の素行調査を依頼することになりました。
調査対象となる人物が県外にいる場合でも調査を受けてもらえるのか不安でしたが、特に問題なく調べて頂くことができました。
しばらくして調査は終了し、娘の大学生活ぶりを聞くことができました。
娘は大学にこそ毎日通っていましたがお金の使い方が荒い様子はなく、調査員の方も首をかしげるほどだったと言います。調査開始から4日日の報告で、娘が大金を使う理由が分かりました。
娘は大学から帰ると自宅のアパートではなく、喫茶店に入り人と待ち合わせているようでした。
しばらく待ってみると、現れたのは品のよさそうな服を着た女性の方でした。
何度も頭を下げる娘に対し、女性は穏やかな様子で話をされていたようです。しばらく話をしていると、鞄の中から封筒を取り出し、女性に差し出して渡してそのまま二人は別れました。娘はこの女性にお金を渡すために度々仕送りをせがんでいたことは分かりました。
では、いったい何のために?何らかの事件に関わっているかもしれない娘の身の安全を優先するためにも、次の休日に私たちが娘の元へ訪れました。
突然の来訪に驚いていたようですが、ここ最近の娘の言動が気になり、調査を依頼したこと。
お金を渡していた女性とはどういった関係なのか尋ねました。
娘は私たちがそこまで調べたことに最初激昂していましたが、親として娘の事を案じていることを説に問いかけると、泣きながら話してくれました。
娘は、妊娠していました。
娘が妊娠していることに気付いたのは、大学に入学して1月経った頃。
相手は高校生の時から交際していた彼で、お腹の子どもは彼との子だということ。
彼にはまだ妊娠のことを伝えられずにいること。
どうしていいか分からない中、次第に膨らんでいくお腹に恐怖していたこと。
講義中に酷いつわりに襲われ、倒れて運ばれた医務室で先生から妊娠を指摘されたこと。
(この時の先生が、娘がお金を渡していた女性だということはここで分かりました)
両親に言えば折角入れてもらった大学を辞めることになる。彼とも別れたくない。誰にも言えずに一人で寂しくて怖かったこと。それら全てを受け止めてくれたのが、先生だったこと。
けれど、妊娠4か月を迎えた月に駅のホームの階段から足を滑らせて転倒し、大きな怪我はなかったが、大事をとって数日入院していたこと。そのときに入院のお世話になったのも先生だったこと。
娘が先生に渡していたのは、その時にかかった入院費だったのです。
私たちが駆け付けたこの時には、娘は妊娠5か月に入っていました。
堕胎することも考えたが、未成年である娘には保護者からの同意が必要になるためずっと言いだせずにいたこと。全てを聞いた私と夫は、茫然としました。
ここまで育ってしまったお腹では堕胎できても娘の身体の負担は相当なものとなるでしょう。
娘には、この子を産みたいという意思も覗えました。
それから娘の大学側には休学届を提出し、娘は自宅へと帰ってきました。
そして父親である娘の彼にも電話で事の経緯を説明すると、彼はご両親と一緒にやってきました。
責任をとると言ってもらえた時は、娘といっしょに涙したものです。
今、娘のお腹は臨月を迎え更に大きなお腹になりました。もうすぐ初孫が抱けるのかと思うと、待ち遠しいです。あの時、しっかりと調べて頂いたおかげで娘の妊娠に気付くことができました。子どもが無事生まれたら、お世話になった先生や調査員の方にも改めてお礼に伺いたいと思います。