探偵料金の相場

探偵事務所への依頼に限らず、物を買ったりサービスを受けたりする時に必ず知っておきたいのが『相場』です。

なぜなら、相場を知らなければ、まったく同じ商品を高値で買って損をしてしまったり、逆に相場より極端に安いサービスを申し込んだらサービス内容が粗雑であったりすることがままあるからです。

まずは、探偵や興信所の料金相場の根拠となるデータを見てみましょう。

調査員1名の1時間当たりの料金(社団法人日本調査業協会公表)

このデータは、(社)日本調査業協会という、非営利法人として設立された一般社団法人が公表してるものです。日本でもっとも組織的に規模の大きい団体が公表している数字ですので信憑性は高いといえます。

ご覧の通り、約9割の探偵社が、調査員1名1時間の料金(以降、単価とします)を5000円~12500円の間に設定しています。つまり、単価が5,000円~12,500円の間であれば相場の範囲内ということになります。

しかし、単価の上限と下限に幅がありすぎるため、実際に依頼すると料金に大きな差が生じます。一例を挙げて説明をしましょう。

例えば、浮気調査を調査員2名、1週間、1日5時間で依頼したとします。
調査員1名1時間5000円で計算すると、5000円×2名×7日×5時間=35万円
調査員1名1時間12500円で計算すると、12500円×2名×7日×5時間=87万5千円
その差なんと、52万5千円もあります。

もちろん調査期間の短長によって差額は違ってきますが、調査時間が長ければ長いほどその差は拡大していくことに気付いた方も多いのではないでしょうか。

最初に載せた円グラフを見ると、24パーセントの探偵・興信所が単価を5000円~7500円に設定していることがわかります。つまり、約4社に1社がこの範囲の料金設定で事務所を経営できているのです。

ですので、難しく考えることなく、単価が5000円~7500円の範囲内を相場と捉え、この金額設定の探偵社を幾つかピックアップして、その中からさらに条件を絞り込んで自分にぴったりの探偵事務所や興信所を選べば、探偵料金の相場という意味では損をすることはないでしょう。

探偵に依頼したときの1日の料金

まず、探偵の1日料金とひとことで言っても、調査内容によってそもそも金額の計算方法が変わってきます。

例えば、浮気調査や素行調査では、「単価×調査員の人数×時間」という計算方法となりますし、人探しの場合は「着手金+発見した場合の成功報酬」という計算方法が一般的となります。

その他、盗聴器発見調査の場合は、「ワンルームは○万円、調査する部屋が1つ増えることに○万円」あるいは「○平方メートルあたり○万円」といった計算方法となります。

ですので、探偵の1日料金は調査内容によって全然違ってきます。

では、探偵社に最も依頼件数が多い浮気調査を例に、1日料金を知るためにはどうすべきかを見てみましょう。

探偵の1日料金を知るためにはどうすべきか

浮気調査や素行調査といった探偵社が最も多く取り扱う調査の料金は、「単価×調査員の人数×時間」で計算することを前に説明しました。そして、単価が5,000円~7,500円の間に収まっていれば相場内と考えてよいこともお伝えしました。

とすれば、あとは、調査員の人数と時間さえ分かれば、1日の料金が決まることになります。では、実際に現場に入る調査員の人数や時間はどのようにして決まるのでしょうか。

まず、調査員の人数については、一般的には浮気調査は調査員2名体制で行われることがほとんどです。1名で行う探偵社はほとんどありません。同じ人物がずっと一人で尾行し続けていれば、失尾(尾行の失敗)や対象者に発覚するリスクが高まるためです。

また、ラブホテルやその他の建物(浮気相手の自宅マンションなど)において、出入り口が複数あることが多いのは皆さんもご存知と思われますが、複数の出入り口を一人で張り込むことは物理的に不可能ですので、どうしても最低2名の調査員が必要となるわけです。さらに、対象者が車やバイクで移動する人であれば、車両調査員も必要となります。

つまり、調査員の人数は個々の事案によって増減させることになるので、今ここで、「浮気調査や素行調査では調査員が○名です」と断言することはできないのです。そして、調査時間も事案によって変わってくることは説明するまでもないでしょう。

以上から、”今ここで”、探偵の1日料金をはっきりとお伝えすることができないことは理解していただけたと思います。

そこで、自分が望む調査(浮気調査や人探し等)の1日の料金を明確に知りたいのであれば、電話やメールで詳細なやり取りをしたうえで、調査に必要な人員の人数と時間を探偵社に計算してもらい、正確な見積もりを出してもらいましょう。

ただし、探偵業界の問題点として、電話やメールでの見積もり料金を信じて事務所に出向いたら、色々と理由をつけられて結局高額な契約を結ばされるケースが後をたちません。見積もりの際には、『絶対にこの見積もり金額から大幅に変わることはないのですね!?』と念を押し、会って面談するさいに事前見積もりと大きく金額が異なるようであれば、強引な営業をしっかりと振り切って事務所を後にしましょう。

1日料金表示の探偵社には要注意

探偵や興信所の1日あたりの料金が、調査内容や個々の案件の調査員人数や時間によって左右されるため、一概に決めることはできないことを上で説明しました。

にもかかわらず、探偵社の料金表でたまに見かけるキャッチコピーとしで, 「1日○万円で調査が可能です」 と謳っているところがあります。この不思議な現象について見ていきましょう。

まず、○万円の「○」の部分ですが,たいていは「7」であったり,「8」であったりします。仮に,これを7としましょう。果たして,1日7万円で調査が出来るとしたら安いと思いますか?はっきり言って,『超激安』です。

124時間を調査員2名、探偵の料金相場の下限である単価5,000円で計算すると,5000円(単価)×2(調査員の人数)×24(時間)=24万円となります。
つまり,17万円で調査依頼を受けるということは、料金相場の最安値である5,000円で計算した場合よりも17万円も安いことになります。

しかし,そんな甘い話は存在しません。ここに探偵社の巧妙な罠が待っています。

1日料金の「1日」って24時間?調査員の人数は?

例えば,夫の浮気調査をする場合,朝7時に自宅を出て,帰宅するのがいつも深夜0時の夫の場合,7時~0時までの17時間は調査してくれるはずですよね。

だって「1日料金プラン」なわけですから。

仕事の合間に社外で浮気相手の女性とイチャイチャしている可能性もありますし,そのイチャついている写真が撮れれば浮気の証拠として活用することもできます。依頼者からしてみれば、朝出社してから帰宅するまでの全ての映像を撮って欲しいと思うのは当たり前のことです。

しかし,この思い込み(というよりも悪徳探偵社による騙し)を利用して,事務所までお客様を誘導して,契約を迫る探偵社の営業方法が問題となり、消費者センターに多くのクレームが入っています。

『1日料金○万円!!』 のキャッチコピーの探偵社に出向くと,必ずといっていいほど以下の営業トークで押し込まれます。

  • 1日のうちで,当社が証拠を撮るのに必要と考える時間が調査時間となります」
  • 「必要に応じて調査時間は短縮しますが,それは全てこちらの判断に任せてもらいます」
  • 「当社では1日の調査は○時間と決まっていまして,それを超える場合は延長料金がかかります」

そして,「1日○万円」と表記してある探偵社は,自分達に利益が大きくなるように時間調整します。上の例で言えば,夫が出勤する時から調査するのではなく,退社するであろう時間から調査をスタートしたりするわけです。仮にいつも夜の19時頃に退社するのであれば,19時から0時までの5時間の調査で7万円もの費用を支払うことになってしまいます。

また、こういった1日料金プランの探偵や興信所のサイトを見ると、たいていは、調査現場に入る調査員の人数が書かれておりません。人数が書かれていないということは、たった1名で調査されても文句は言えないということです。

単価が高い探偵社は1日料金表示にしている

もうここまで読めばお分かりですよね。1日あたりの料金の表記をしている探偵社は,『調査員1時間1名あたりの料金が高いのを誤魔化すために1日単位の表記にしている』のです。

1日料金プランは、少しオーバーに言えば、「探偵1名で1時間しか調査しない」という事態も生じるリスクを含んでいると考えてください。

実費について知っておこう

調査における実費や経費とは,尾行や張り込み、証拠撮影、報告書や報告動画作成等に費やした金額のことです。

下記に記載したものが、実費の代表的なものとなります。

  • 電車やバス、タクシーに乗る運賃
    →対象者の交通手段に合わせて尾行するさいに必要
  • 車やバイクを使用する際の車両費
    →尾行時に、レンタカーやレンタルバイクを使用する時のレンタル料。自社の車両を使用する場合でも車両費を請求する探偵社や興信所もあります。
  • ガソリン代や高速代
    →車両尾行時の燃料代や有料道路利用の経費
  • 車から徒歩での尾行に切り替えた場合に車を停めておく駐車場代
    →対象者が車を駐車させて徒歩で移動を始めた場合、駐車違反とならぬよう調査車両をコインパーキングに停めることもあります。
  • 遊技場(遊園地・映画館等)や飲食店内での調査をする際の入場料や飲食代 
    →浮気カップルのデート時に立ち寄る施設に調査員も中に入って様子を撮影します。
  • 遠方出張で泊りがけで調査する際の調査員の宿泊費
    →出張先や旅行先での浮気調査では数日に及ぶ調査が必要な場合もあり、その際は調査員もビジネスホテル等に宿泊することもあります。
  • 報告書作成費 DVD作成費
  • 機材(ビデオカメラ・盗聴盗撮器発見機器等)使用料

これらが調査の実費と呼ばれるものです。 

実費は調査料金に含まれていた方が良い?

稀に、調査料金のなかに、実費も全部含めている探偵社を見かけます。

上記の通り、高額な実費請求をされる恐れがある以上、調査料金に実費が含まれていたほうが安心する方は多いのではないでしょうか。

しかし、よく考えてみてください。探偵の尾行というのはなにも近距離に限られたものではありません。対象者が車に乗って高速道路に入り数百キロ先まで移動することもあれば、飛行機や新幹線で移動することもざらにあります。また、対象者が遠距離に移動した場合は宿泊することもあるため、調査員も同じホテルに泊まる必要が生じることもあります。

はっきり言ってしまえば、飛行機や新幹線で移動された場合にその実費を探偵社が負担したとすれば殆どの依頼ケースにおいて赤字となります。

にもかかわらず調査料金に実費を含ませることができる理由としては、そもそもの調査料金(単価)が他社より高いからです。対象者が遠距離移動のケースと、近距離しか移動しないケース、どちらも一律料金で成り立つのは、料金設定を高めにしてどんぶり勘定にしているからに他なりません。

もちろん、こういったどんぶり勘定の料金設定をしている探偵社の調査の質は語るまではないでしょう。

実費を利用した高額請求に注意

探偵業界の中には,『実費』を利用した高額請求の悪質な手口があります。

その手口とは,電話やメールでの見積もり段階では低料金で依頼を引き受けるように装い,実際に事務所に赴くと、高額な実費を見積もりに計上し契約させるといったものです。酷いケースでは、調査終了後になってから多額の経費を請求してくることもあります。

実費を利用した高額請求の手口はこうです。まず,ホームページを見て見積り依頼をしてきた人には 「1日○時間の調査で,調査員○名,調査費用合計が○○万円,その他実費のみかかります」と説明します。 「実費」の部分をサラっと流すように話すのがポイントで、詳しい説明は当然しません。 

契約直前になって次のように切り出します。

  • 「当社では,裁判でも使用できるだけのしっかりとした報告書を作成しますので,報告書作成費に○万円かかります」
  • 「調査の動画も必要であれば,DVD作成に○万円,特殊調査機材も使うので○万円も追加で発生します」

一般的に考えれば、メールや電話での見積もり段階では教えてくれなかった、高額な実費をプラスされたら、契約を断って帰るのが普通でしょう。

しかし、中には、「専門家の人が言っているのだから、そういった費用がかかるのが普通なんだろう」「これだけ長く話を聞いてもらって、契約もせずに帰るのは申し訳ない」といった理由から高額な依頼費用で契約してしまう人が多いのが現状です。

こういったお客様を騙す形で契約を迫る探偵社は得てして調査においてもいい加減な手抜きが行われることが多いため注意が必要です。