理由をつけて会社に残ろうとする社員。その訳とは【素行調査実例】

従業員数が10名にも満たない小さな下請け会社ですが、特に急ぎの案件などがあるわけでもないのに無理やり理由をつけて会社に残ろうとする社員への対応にお困りの方から素行調査をご依頼頂きました。(相談者:東京都港区在住 経営者 48歳男性)

会社に居座り続ける社員の一日についての素行調査

私が営む会社は、中小企業からの発注を受けて業務をこなす小さな下請け会社です。

社員数10名未満という少ない人数ながらも、お互いがお互いをフォローしあえる連携を重視した

社風でこれまで頑張ってきました。

そんななか、一人の男性社員が残業続きで毎晩帰るのが遅い日々が続いていました。

恥ずかしながら、わが社には残業するほどの仕事量はほとんどありません。

それなのに1週間も残業を続けているのは流石におかしいと思い話を聞くと、今自分が営業に出ている会社へのプレゼン資料を作っていて少し手間取っているからだと告げられました。

向上心旺盛なのは良いことですが、それで体を壊しては意味がないので早めに切り上げて帰宅するよう促しました。彼はいつも朝一番に出勤して社内を軽く清掃してくれる几帳面で真面目な青年だったので他の社員からも慕われていました。そんな彼が体調でも壊した日には、みんながとても心配するだろうとも告げると、彼は帰宅する準備を始めました。

しかし、彼はその後も毎晩残業を続けました。いったい彼のなにがそこまでさせるのか、心配になった私は知り合いを伝って東京探偵興信所適正化協会の方に社員の素行調査を依頼しました。

彼のことを数日張り込んでもらい、生活の様子を調べてもらった結果、彼は今、家出状態であることが分かりました。

というのも、彼は同棲していた彼女から部屋を追い出され、帰るに帰れない状態なっていたそうです。

そのため、勤務終了後、社員が全員帰宅したのを見計らって風呂や洗濯、食事などは別のところで済ませた後、会社に戻り寝泊まりしていることが分かりました。

事情はともかくも、これ以上会社を私的な理由で使用させ続けるわけにもいかなかったので、翌日には彼に事の経緯を聞いた上で厳重注意をしました。

彼自身も、このままではいけないとは分かっていたものの踏ん切りがつかず今日まで来てしまったと反省していました。その後は無事彼女とも仲直りをして、自宅へと帰っていきました。

そして私は今回を機に、今までは全員に渡していた会社入口の鍵を、今後は私1人で管理することにしました。今度また同じことで利用されないようにするためと、セキュリティが甘いと感じたためです。

今回の件の原因である彼がしたことは、決して褒められたものではありませんでしたが、自社のセキュリティを見直す良いきっかけになったと思っています。