ストーカー被害を相談していた隣人が犯人でした【調査体験談】

ストーカー被害を相談していた隣室の住人がストーカーの犯人でした

就職を機に引っ越した新居は、外装も内装も可愛らしい2階建てのアパートでした。

職場からも駅からも近く、スーパーやコンビニもそう遠くないところにありながらも家賃も手ごろなこの物件が一目で気に入って、住み始めて今年で3年目になります。

アパートの住人も同じ年頃の人から老夫婦で暮らしている人がいて、隣室に住む同い年の独身女性とはよく顔を合わせていました。同い年ということが分かってからは彼女と会話する機会も増え、友人と行っても支えないほど親交を深めていきました。

会社に勤めるようになってすぐに、同じ会社に勤める男性社員とお付き合いを始めることになった私は自宅と彼の家を行き来するようになりました。それまではほぼ毎日顔を合わせていた隣室の彼女と会う機会も減っていきました。久しぶりに会ったときに事情を説明すると、彼女は自分のことにように喜んでくれ、一度一緒に食事でもしようということになりました。

それからすぐに、女と私と彼の3人で集まって食事をしました。

ほぼ初対面のメンバーでしたが思いのほか話は盛り上がり、この日を機に3人で集まって行動するようになりました。私と彼、2人での時間は取りつつも3人で何かを集まって行動するのは、まるで大学生に戻った頃のようでとても日々を過ごしていました。

そんな中、私は徐々にストーカーの被害に遭いはじめていました。

ポストに届く郵便物をほぼ開封されていたり、時には破った状態で玄関前に散らしたりと始めはよくあるイタズラだと思っていました。けれど、ほぼ毎日続くその行動以外にも、誹謗中傷を書かれたチラシや、その日の私の服装に対するコメントなどが書かれた手紙が送られるようになってからは、ストーカーがいるのだと嫌でも気付いてしまいました。

同じアパートに住む彼女はすぐにこのことに気付き、何かと気にかけてくれました。彼にもすぐに相談して、しばらく彼の家に避難させてもらうことになりました。

彼の家に移ってからは被害もなく、思いがけず始まった2人での生活も順調で、彼も同じことを思ってくれたのかこのまま一緒に暮らすことになりました。

私としても、このままストーカーに怯えながら暮らすのは嫌だったので、とても有難い話でした。けれど、一緒に暮らすには一度アパートに帰らなければなりません。内心怯えながらアパートへ向かうと、ポストにも玄関前にも何もイタズラされた痕跡はなかったのでホッ一安心して部屋に入った瞬間、室内の様子に驚愕しました。

部屋の中はひどく荒らされており、壁にはスプレーで落書きがされていました。

鍵は閉めて出たはずなのに、何故こんなことになったのか。あまりに怖くなり、私はすぐに彼に連絡をとり、部屋を見てもらいました。隣が騒がしいことに気付いたのか、隣室の彼女も駆けつけてくれました。駆けつけてくれた彼らの存在に少し冷静さを取り戻した私はすぐに警察に連絡しようとしました。

けれど、彼女はそれよりも先に大家さんへの連絡が先だと言い始めました。普通、こんな状態の部屋を見たらストーカーや空き巣狙いの犯行とみて警察に通報するものだと思ったのですが、警察が入るのは大家や周りの住人の迷惑になると言って、大家さんへ連絡をし始めました。

少し腑に落ちないまま、大家さんに事情を話すとやはり警察に連絡しようということになりました。彼は警察が来て事情聴取する間もずっと傍にいてくれましたが、彼女は用事があるからと言って帰っていきました。警察の調べでは、無理に施錠した後もないので合鍵を作って侵入したのではないかと言われました。

けれど、このアパートの鍵は少し特殊でそう簡単に合鍵を作ることはできません。

大家さんや住居者にも話を聞くということで、その日の調査は終了しました。

犯人が分かったと連絡があったのは、それから2日後のことでした。

室内に残された指紋と大家さんの証言から、隣室の彼女による犯行であることが分かりました。彼女も犯行を認めていました。

犯行の目的は、私と彼を別れさせるためだったそうです。

初めて彼と会ったときに一目ぼれした彼女は、私という相手がいながらもどうしても諦めきれず遠回しに別れるよう色々と画策していたそうです。

けれどその行動が裏目にでてしまい、以前より親密になった私たちの様子に腹正しくなり、犯行に及んだというのです。

友達だと思っていた人に裏切られたことにショックで、しかもその原因が彼であったことにもお互い傷つき、急激に2人の仲は冷めていきました。そしてつい先日、私たちは別れることになりました。結果的に彼女の思惑通りになってしまったこと悔しくて仕方ありません。ストーカーは、私の幸せな未来さえも奪っていきました。