盗撮したわけじゃないのに…ママ友の子供の撮影でトラブルになった実例

よく外出先で子連れの奥様方が集まって食事をされるのを見かけます。食事中の様子を撮影しあう様子はなにやら微笑ましいものを感じます。子どもの世話に夢中になっているところを好ましく思った友人がこっそりカメラで撮影して会話のネタになることも。しかしながら、時としてその行為を盗撮だと嫌悪される場合があります。

Cさんは今年3歳になる娘と一緒に、近所のママ友とカフェにいました。
そのカフェは、子連れでも気軽に入店できるお店として以前からママ友たちの間で話題となっていました。集まったママ友たちは子どもたちを解放できるスペースに置き、自由に遊ばせながら会話に花を咲かせていました。そうこうしている内に注文した料理が運ばれ、子どもたちと一緒に食事を楽しんでいました。美味しい料理にと気の知れたママ友の集まりに楽しさいっぱいで、Cさんは記念に写真を撮ろうとしました。食事中にマナー違反だとは思いつつも、ママ友たちに向かってカメラを向け、写真に写るようお願いしました。皆快く撮影に応じてくれ、撮影した写真は後日ママ友たちにプレゼントすることを約束しました。
ママ友たちとの食事会が終わり、撮影したデータを各自に渡してから数日後、ママ友の一人から電話がかかってきました。電話の内容は、食事会のときに撮影した写真についてでした。
写真を撮ることに了承してくれたはずの彼女が何に対して不満を抱いているのか聞いてみると、彼女の娘(5歳)が撮影時に服が肌蹴てしまっていて、胸部が見えてしまっているというのです。Cさんは慌てその時の写真を見ると、確かに娘さんの肌が露出してしまっていました。すぐに彼女へ謝ると、彼女は余計に激怒し、盗撮したことを訴えると言いだしたのです。Cさんとしては、全くの無意識下での撮影でしたし、彼女たちへ渡す以外は家族に見せたくらいで、他の誰にもどこにも写真を見せたことはありません。そのことを告げると、写真を受け取ったママ友の一人がSNSにその写真をアップロードしてネット配信されているというのです。Cさん自身がネット上に掲載したわけではないけれど、娘の肌がネットで見られるかもしれない。Cさんはその根本的な原因だとして訴えると言うのです。
まさか良かれと思ってした行為がこんな形で返ってくるとは思わず、しばらく呆然としたそうです。
そのあと、CさんはSNSに掲載したというママ友の一人に事情を話し、写真を下げてもらうことができました。そして電話をしてきたママ友の家に赴き、お詫びの品を携えつつ、ママ友に写真を下げてもらえたことと、態とではなかったこと説明したことでやっとお許しを得ることができました。しかし、許しをえることはできても、その後問題となったママ友ときまずい関係が続き、次第に疎遠になっていきました。

今回の場合は、撮影者と被写体のコミュニケーション不足が原因となります。
撮影者は被写体に写真を撮ることの許可はもらって撮影をしているので盗撮扱いにはなりません。しかしながら、撮影した写真の内容によっては許可できない場合があります。今回の場合は女のお子さんの服が肌蹴てしまっているところを偶然映してしまい、それが問題となりました。まだ5歳の子どもなのに、と思われるかもしれませんが近年、幼女を性的対象とする人物も少なくありません。Cさんを盗撮で訴えると電話したママ友も、そのことを懸念してのことだったのでしょう。もし、団体で写真撮影をする場合は、撮った写真を被写体となった人物全員に確認をしてもらうと今回のようなケースが起こるのを防ぐことができるでしょう。