これまでほとんど関わることのなかった人物から、一緒に仕事をしないかと独立を持ちかけられていますが、話が上手すぎるので詐欺ではないかと疑い調査を依頼しました。
(相談者:東京都新宿区在住 パート勤務30代女性)
夫に強引に独立を勧誘してくる元同級生の身元調査
夫は中小企業に努めるいわゆるサラリーマンというやつですが、休日には趣味の釣りに出かけたり子どもと一緒に野球をするなど、体を動かすことが大好きな人です。
将来、マイホームを購入した暁には庭にバッティング場を作りたいと常に語っていました。
そんなある日、夫がひどく酔っぱらって帰ってきました。
夫はお酒が得意ではないので、飲み会の席でも付き合い程度にしか飲んでいませんでしたがひとりではまともに歩けないほどに酔っぱらっているのには驚きました。
翌日、二日酔いで気分の悪そうな夫に話を聞きました。
会社帰りに、偶然中学の同級生に会ったこと。久しぶりで話が盛り上がり、そのまま飲みに行ったこと。
その中で、将来マイホームがほしいと話したこと。そしたら、その友人から独立の話を持ちかけられたこと。難しい話を延々としだしたので、途中で寝てしまったこと。
お酒も入っていたので、実際はもう少し曖昧なイメージで話をされましたが、独立の話をもちかけられたという点がどうしても気になりました。
夫は「酒の席の話だから」と冗談だと思っていましたが、数日後その友人からもう一度会わないかと連絡を受けた夫は、何やら分厚い封筒を持って帰宅しました。
中身は、独立するために必要な関係書類と参考資料でぎっしりでした。
「独立にはたくさんの知識と予算がかかる。けれど、この資料があれば通常独立するときにかかる予算の半分以下で起業することができる」と言われ、半ば無理やりに資料を渡され
代わりに3万円を請求されたそうです。
夫は、流石にいきなりそんな話をされても現実味がないので断ろうとしたら、お金は今度でいいからそれをじっくり読んでほしいと言われつい持ち帰ってきてしまったそうです。
渡された資料をみると、確かに独立に関するノウハウが書かれていました。
けれど、正直この資料にそこまでお金をかける必要性は感じられませんでした。
夫も同意見だったようで渡された資料はすぐに友人の元へと返却しました。
返却後はなお一層独立を呼びかけられるようになり、毎日電話やメールが届くようになりました。
流石にここまでされては相手方を疑うようになり、友人と友人が進める独立を支援する教材の出元について調べてもらうことにしました。
結果はクロ。
友人が渡してきた資料を作った会社も、友人の経歴も、独立の話も全て嘘だったことが分かりました。
友人は、夫のほかにも学生時代の同級生を狙って同じ手で近づき、独立資金と称して多額のお金をだまし取っていることが分かりました。
私たちはこの調査結果を警察に持っていき、友人を詐欺罪で起訴するよう訴えかけました。
私たち自身は金銭的な被害は受けずに済みましたが、当時夫が親しかった友人は同じ手にかかり一千万円ほど騙し取られたと聞きました。
怪しいと思った時点で調査を依頼し、大きな被害を受けるまえに事実を知ることができて良かったと思いました。