進学校に通う真面目な高校3年生が突然の家出【行方調査実例】

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【相談内容】

対象者(息子)は進学校に通う高校3年生、ごく真面目な性格で、家庭内や学校生活において目立ったトラブルも無かった。しかし、ある日突然に家を出てしまう。音信が途絶えることは無く(親に対する気遣いからか)、毎日メールは送信してくるものの、帰宅の呼びかけには応じようとしない。事件性は無いということで、両親は警察への届出は思い止まったが、学校に相談を持ちかけるとともに、当社への行方調査を依頼した。

【調査内容】

調査に先立って、まず家族と学校の関係者(担任教師)にヒアリングを実施。いじめなど大きなトラブルが無いこと、プチ家出など非行の前歴が無いことが確認された。加えて、多額の預金が引き出された形跡が認められ、家出が計画的に行われたであろうことも判明。対象者が就業年齢に達していることから自立の可能性も考慮されたが、当面の宿泊先としては通例のパターンとして簡易ホテルやネットカフェ、漫画喫茶が浮上した。

近隣の宿泊施設、宿泊が可能な個室タイプの飲食店などを調査したところ、店員から目撃情報を入手。徐々に調査範囲を拡大し、調査開始から3日目で対象者の発見に至った。その場で当社のスタッフがコンタクトを取り事情を説明。両親が探していることを伝えるとともに、身柄を確保した。少年は特に嫌がるような素振りも見せず、素直に同行した。聞けば、家出については後悔の念が大きいということで、早く戻らなくてはと考えていた、しかし自分自身ではなかなか踏ん切りがつかなかったという。対象者は発見されてむしろほっとしたような、安堵の表情を浮かべているのが印象的であった。

【調査結果及びその後】

当事例は対象者が行方不明になってからわずか3日で発見に至っており、早期解決の好例ということができる。ちなみに、家出の直接の原因は、半年後に控えた受験へのストレスであったらしい。普段の素行を考えると、対象者の家出はいかにも突発的であり、それだけに家族の抱く不安も大きい。結果、探偵や興信所へ依頼することに逡巡もなく、早期調査→早期解決へとつながった。一方、調査の開始が遅れたケースについては、所在確認が困難になり、調査が長期化する傾向が見られる。通常、人探しは初動が早いほど有効であるため、依頼者の立場としてはできる限り早急な対応が望まれる。とりわけ、失踪者が未成年者の場合にあっては、犯罪被害に巻き込まれる危険性なども考慮して、迅速な調査こそが肝要であるといえるだろう(プチ家出の常習化を予防する効果も期待できる)。

この案件に限らず、未成年者の家出事例については、所在確認の後に両親と子供がしっかりと話し合いの場を持ち、問題を共有し、お互いの理解を深めることが望ましい。多くの場合、心理的な葛藤を緩和し、その原因を取り除くことで(いわば家出を問題解決の糸口として)、家族の関係も修復され、対象者を家出へと駆り立てた懸案も解消される、というケースが多い。