施設に引き取られて生き別れた弟と会いたい【行方調査実例】

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【相談内容】

依頼者(50代男性)は早くに両親を亡くし、里子に出されてしまう。当時まだ生まれて間もなかった弟は施設に引き取られ、依頼ずっと音信普通の状態が続いていた。何度か自力で弟を探そうと試みたことはあるものの、具体的な成果が得られることはほとんどなく、再会を半ば諦めていた。そんな折、弟と同姓同名の人物が雑誌(ビジネス誌)で紹介されているのを見かけ、にわかに希望を抱いた依頼者は、当社に男性の身元確認を依頼した。

【調査内容】

依頼者より調査の事実は伏せて欲しい旨の要望があったため、当該の人物に対しては秘密裏に身元を調査。結果、生き別れた弟とは同姓同名の別人であることが判明する。当社の報告に依頼者は気落ちした様子であったが、出生地や氏名を把握していることから、所在確認に必要な情報は十分に揃っていることを説明し、当社は調査の継続を提案。依頼者が了承したため、あらためて所在調査が開始された(再度見積もりを提示し、再契約という形をとった)。

所在が分からなくなり数十年という期間が経過している(転地は広範であろうと予測される)ため、当社は全国の支局に身元の照会を要請。結果、同姓同名の人物が百数十人浮上したが、年齢や出生地を元に、素性の洗い出しを行った。その過程で候補者が十名程度にまで絞られ、最終的な調査段階として個別にアプローチを行った(この時点においても調査は秘密裏に行われ、依頼者の存在はもちろん、探偵や興信所による調査の言明も避けた)。

調査範囲は九州から東北に及ぶまで全国に拡大したが、当地の支局の協力もあり、詳細な情報収集に成功。関西在住の男性が、依頼者の弟である可能性がきわめて高い人物であると判明した。さらには男性の妻、及びその親戚などからも証言を得て、幼い頃に生き別れた兄(依頼者)の存在を確認。出生地も依頼者と一致した。

【調査結果及びその後】

当社は当該の男性が対象者(生き別れた弟)であるとの確証を得て、依頼者に発見を報告。その際、自分と会う意志があるのか確かめて欲しい、という旨の要望を受けたので、正式に(探偵社を名乗ったうえで)男性にコンタクトを取った。男性も「ぜひ会いたい」と明言したため、依頼者の連絡先を伝え、後日には対面の場をセッティング。実に40年ぶりの再会が実現した。

当事例においては、依頼者が対象者(弟)の現在の生活に与える影響を憂慮していたため、人探し、素行調査に至るまで、ほぼ全ての作業が秘密裏に実施された。一般に、探偵や興信所の調査に対しては警戒感を抱く人々が多いので、特に初動の段階においては、ごく内密な形で調査を行うことが望ましい。

当初の予定とは異なり、当事例は全国規模のきわめて大掛かりな行方調査となった。人を探す作業がこのような形で範囲を拡大することは珍しくないので、全国的なネットワーク、とりわけ人的リソースに優れている調査会社の存在は貴重であるといえる。