メールで一方的に別れを告げてきた婚約者は今どこに【行方調査実例】

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【相談内容】

依頼者(40代男性)と対象者(女性)はインターネット上(婚活サイト)で知り合い、約半年間に渡り交際を続けていた。しかし、男性はある日突然にメールで一方的に別れを告げられ、以来、女性とは音信不通の状態となってしまう。なぜこのような形で関係を断たなくてはならないのか、男性は気持ちの整理がつかず、長いあいだ思い悩んでいた。そんな折、ネット上で当社の存在を知る。男性は婚約者の真意を確かめるべく、当社に女性の所在調査を依頼した。

【調査内容】

通常、男性依頼者から女性の所在調査を依頼された場合には、ヒアリングを綿密に行う(ストーカー被害の加害者になってしまう恐れがあるため)。当案件については安全性が確保されていると判断されたため、依頼者から対象者の電話番号の提供を受け、ただちに身元の照会手続きを行なった。その結果、男性が知らされていた女性の氏名、年齢が偽りのものであったことが判明する。ただ、ネットで知り合った人物が自身の素性を詐称する例は珍しくないので、この時点では取り立てて不審な点は見当たらなかった。

確認のために素行調査を行ったところ、女性が調査対象者本人であることが確認されたが、複数の男性と交際していること、複数の携帯電話を所有していることなどが判明する。不審に思った調査員が依頼者から再度話を聞いたところでは、女性に対しては交際の過程でかなりの金品を提供しているという。にわかに結婚詐欺の疑いが濃厚となり、事件性が浮上する。当社から事情を説明したところ、依頼者は被害届を出すことを決意。当社は警察に証拠を提供する形で、調査内容およびその関連資料を情報として提示することとなった。

【調査結果及びその後】

被害者が複数いること、行為が常習化していることなどから、警察は詐欺行為の悪質性を認め、捜査に着手。程なくして女性は逮捕された。依頼者は民事訴訟において賠償を請求。100万円近い被害を回復した(この事件については一部メディアでも報道されている)。

ネット上での出会いには常に一定のリスクが存在するが、当事例はまさにその典型といえる。しかし、近年になって類似の案件は増加傾向にあり、出会い系サイト、婚活サイトなど、インターネットを介して知り合った人物の所在調査を依頼されることは多い。通常、電話番号が分かれば、対象者の身元を追跡することが可能である。

今回のような犯罪性の有無は別としても、相手側から一方的な形で連絡を断たれてしまった場合には、復縁はきわめて困難である、ということを念頭に置いておく必要があるだろう。探偵や興信所に人探しを依頼する場合には、依頼者の立場にあって、所在確認後にどのような対応を取るのか、事後の結果も含めて考慮することが望ましい。とりわけ、男性の側から女性の行方を探す場合には、無用の警戒心・不安を与えないように、十分な配慮を心がけることが必要であろう。