実例を元に家出調査の方法を現役調査員が解説

このページでは、現役調査員が実際に家出調査で行う調査方法とその特徴について、実例を元にご紹介します。

あなたの大切なご家族、ご友人が家出し、これからどうやって探していけばいいのか悩まれている方へ。少しでもご参考いただければ幸いです。

実例:引きこもりの弟が家出してしまい、家族全員で探している

家出調査の依頼を申し込まれるほとんどが、家出をした方のご家族によるものです。

今回は、実際にとあるご家庭から寄せられた家出調査の依頼内容を例に話を進めていきたいと思います。今回のケースに限らず、ご家族やご友人の家出に気付いた場合、すぐに確認していただきたい項目を以下にまとめました。

・家出した人物の部屋が片付いているか

・通帳と印鑑は持ち出されていないか

・私服や靴、鞄などの私物が減っていないか

・携帯やパソコンなどの連絡手段を持って出ているか

・行き先を示すような本や手紙が残されていないか

大学受験に失敗し、引きこもりがちになっていた弟さんが家出したことに気付いた(依頼人である)

お姉さんが慌てた様子で当社に家出調査の依頼をされた時にも、上記の項目を確認するよう伝えました。

室内は特に散らかっている様子もなく、かといって綺麗に整頓された形跡はないとのこと。

家出したあとの部屋が綺麗に整頓され物が少なくなっていれば、計画的な家出である可能性があります。いつも通り、または散らかっているようなら突発的な行動による家出の可能性があげられます。

次に、通帳や印鑑、服や靴などの私物がなくなっていないかを確認してもらいました。

携帯や財布はもちろん、弟さん名義の通帳・印鑑は持ち出され、一番大きなキャリーバックと衣類もなくなっていました。この時点で、ある程度の長期戦を見越して資金や衣料を確保していることから、短期間での家出ではないことが予想されました。

さらに、携帯やパソコンといった連絡手段を持って出ているならば、調査範囲が広がります。

内蔵されているGPS機能を辿って使用者(家出人)の現在位置を掴むことができます。加えて警察に

協力を仰ぎ、通話・通信電波を傍聴することが出来れば居場所を特定することができます。

今回のケースでは見られませんでしたが、もしも家人に宛てた手紙やメールが残されていたなら、それは家出の理由と行き先に関わる重要な資料となります。捨てずにそのまま保持していてください。

家出された弟さんの持ち物と、クレジットカード会社や消費者金融から届く大量の明細がゴミ箱に捨てられていたことから、家出の理由は借金返済が苦になってのことと分かりました。

幸いにも持ち出していた携帯電話の連絡先は変わっていなかったので、何度も連絡をとりつつ

弟さんのご友人にも話をきいて居場所を掴むことができました。

今回の依頼内容は、『家出した弟の居場所を掴み、家に連れて帰ること』でした。

居場所を特定してすぐにご家族の方が迎えに行かれても変にプレッシャーを与えかねません。

まず我々調査員は弟さんと接触し、ご家族が心配している旨を伝えました。

何故家出をしたのか。家出して何がしたかったのか。家族と会う気はあるか。など、ご家族に代わり

弟さんの想いをお聞きしました。

弟さんは、学生時代からの趣味であるフィギュアの購入・製作費に貯金を費やしてしまい、あげくの果てに両親の財布からお金を抜き取って使ってしまったこと。大学にも失敗して就職もできず借金まみれの自分に嫌気がさしたのと、両親や他の兄弟たちに対する罪悪感から家出したことが分かりました。

ほとんど思い付きだったとはいえ、準備に余念がなかったことからいつかは家出をすることを考えていたこと。出来ることならちゃんと家族にお詫びとお礼が言いたいと言われていました。

家出の理由を依頼人でありお姉さんに告げたのち、またご家族でゆっくりと話し合いの場を作ることとなりました。その後、弟さんはご実家から元気に仕事場へと通っているそうです。

家出はしたものの、いつかはご家族の元へ帰りたいという意思をお持ちなら割とスムーズに説得を進めることができます。けれど、中にはもう二度と戻らないと言われる方もいます。そんな時は、互いの今後の展望を交えた上で仲介約として我々が両者の意見を聞き、最善策を提示する場合もあります。

家出調査の特徴は、家族関係の内密さが解決までの最短の糸口を握っていることです。

さらに、家出人の捜索後のアフターケアとして互いの意見の仲介役をすることもしばしばです。

また、依頼内容によって調査方法はその都度異なります。ご自身が望む最高の形で調査を進める

ためにも、調査に必要な上記の情報をしっかりと確認しましょう。

計画的な家出なよりも、突発的な家出のほうが予測できない行動をとるため非常に危険です。

突発的な思い付きで家出をしたとしても、準備不足がたたり最悪事故や事件に巻き込まれてしまうこともあります。そうなる前に、家出に気付いたら上記の項目を確認した後に警察や探偵事務所を使って一刻も早い調査を始めましょう。